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国スポ冬季大会を応援するため、岡山市で9月に開かれたトークショーには、フィギュアスケートの高橋大輔さん(右)らが参加した

 国民スポーツ大会(旧・国民体育大会=国体)には夏季・秋季に開かれる本大会と、ウィンタースポーツが実施される冬季大会がある。各都道府県の回り持ちで開かれる本大会と違い、冬季大会は開催できる自治体が限られるため、開催地決定が長年の課題となっている。

 「3年後がまだ決まっていない状況で厳しい」

 日本スポーツ協会で国スポに関わる担当者のため息は深い。時間さえあれば、なりふり構わず、開催できそうな自治体に声をかけ続ける。

 1946年に夏季と秋季の第1回大会が始まったのに続き、冬季大会は47年1月にスタート。スキー、スケート、アイスホッケーの3競技で行われている。

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今年2月、山形市であった冬季国スポのスキー競技で優勝した葛西紀明(中央)。11月、冬季国スポについて聞くと「国内大会が少ない時期の開催はモチベーションになる」

 スキー競技でいえば、ヒルサイズが80メートル以上のジャンプ台が必要になる。現時点で開催できるのは北海道、長野県など7道県だけ。スケート競技の3種目(スピード、ショートトラック、フィギュア)すべてを開催できる自治体も8道県しかない。47都道府県のうち、これまで冬季大会の競技を実施した自治体は19道都県にとどまる。

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 国スポの開催要項では本大会、冬季大会ともに原則、5年前に開催地を内定、3年前に決定と定めているが、日本スポーツ協会の担当者は「冬季大会はそんなことを言っていられない」。現時点で2027、29年の開催地が決まっていない。群馬県で07年のスケート・アイスホッケー競技の開催が決まったのは開幕の1年前だった。

 協会は冬季大会独自の課題に…

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